2022/05/09 10:37


北欧ヴィンテージの楽しみ方と魅力


北欧ポスターとインテリアのお店ismirai homeです。
この度、北欧ヴィンテージの雑貨の取り扱いをスタートしました!
今回はヴィンテージの魅力についてお話しできればと思っています。




01

そもそも北欧ヴィンテージって?


まず北欧とは「デンマーク」「フィンランド」「スウェーデン」「ノルウェー」の国のことを指します。
北欧デザインの黄金期と呼ばれる1950〜1980年に作られたガラス、陶器、家具、オブジェなどのことを現在は総じて「北欧ヴィンテージ」と呼びます。
ヴィンテージと呼ばれる時期に作られた製品は、現在では製造されていないものが多く、その時代ならではの特徴や傾向などが反映されたデザインは現代にはない魅力があり、また日本のインテリアと調和しやすいことが人気の理由のひとつに挙げられます。

デンマークでは主に家具、フィンランドではガラスや陶器が多く、日本でも人気なブランドが多いのが特徴です。
スウェーデンとノルウェーは陶器が多く、有名なものからまだ日本ではあまり出回ることが少ないものも多くあります。
ちなみにismirai homeで第一弾で取り扱うのは主にフィンランドのヴィンテージ品がメインとなります。



02

受け継ぐというセカンドハンド文化


北欧では引っ越しなどの機会に手放す際はリサイクルショップなどに売ることが多く、街中にもリサイクルボックスが設置されていて、「使わなくなったもの=いらない捨てるもの」ではなく、次のバトンとして誰かに受け渡すという暮らしや文化が自然と根付いています。
北欧がサスティナブル先進国である理由はこのようなところにあるのだと感じます。
(リサイクルについてはこちらの記事でさらに詳しくご紹介しています! [ スウェーデン流のインテリアの楽しみ方 | 私の北欧での暮らし。vol.6 ])

そんな受け継ぐことが前提の文化の中で生まれたデザインだからこそ、流行り廃りの関係ない機能美が追求されたタイムレスなデザインが生まれていくのだと想います。
ヴィンテージは大切に使われてきて、また大切に受け継いで欲しいという思いを託されて、廃棄されることなくまた価値を持って市場に戻ってきたものなのです。



03

一生モノの椅子を買うデンマークの人々


北欧でヴィンテージ品や古いものが愛され受け継がれる理由がもう一つあります。
デンマークでは家具、特に椅子を重要視する文化があります。多くの家庭では、祖父母、親から受け継がれてきた椅子があり、さらに自分で購入したものも合わせて、家族の人数以上の椅子が家に置かれています。
これは「家で過ごす時間と空間をより良いものにしたい」という考えから生まれた素敵な文化です。

椅子と一言に言っても、背もたれがあるもの、肘掛けがあるもの、高さがあるもの、深さがあるもの、またその逆もありますよね。用途やシチュエーションによってどの椅子が家のどこに置かれ、その日の気分や暮らしに合った場所の選択肢として椅子があるのです。
それが、ただ座るだけではなく、居心地の良い場所作りが椅子が持つ重要な役割なのです。

本来、椅子はどんな状況で座るのか想定されて設計されているもの。デンマークの人々はそうしたデザインが提供する価値を見極めることも当たり前のようになっています。
そのため、とりあえず安いものを買うのではなく、自分が親や祖父母してもらったように、次は自分の孫の代まで受け継がれるようなデザインされた椅子を、時間とお金をかけて見つけるという文化が浸透しています。
そうして大切に選ばれた椅子は、使い続けられる中で傷や劣化も含めて、自分にとって新品以上の価値を持つことができるのです。
椅子に限らず、物を選ぶ上でのそうした精神が暮らしや環境をより良くデザインしてくれるのだと思います。


04

ヴィンテージファンを魅了するポイント


冒頭でお話ししたように、その時代ならではの特徴あるデザインはヴィンテージの魅力の一つです。
どのデザイナーがいつデザインしたもので、初期の傾向にはこんなものがあって...など製作のバックグラウンドを楽しむこともできます。

例えば今回取り扱いをしている、写真のビルガー・カイピアイネン(Birger Kaipiainen)デザインの“ヴィオラ(Viora)”のウォールプレート。
カイピアイネンといえばその代表作である“パラティッシParatiisi)”。果物とパンジーがモチーフであり、現在もARABIAで販売が続いており、北欧が好きからも人気シリーズのお皿です。(※写真奥)
そんなカイピアイネンのトレードマークとも言える程好んで使用した「ヴィオラパンジー)」のモチーフはパラティッシ好きからすると、反応してしまうアートピースかと思います。
こちらは1967年モントリオール万博のフィンランドパビリオン用に製作した「Orvokkimeri / パンジーの海」という作品をもとに1980年代に製造されました。
少しマニアックなポイントではあるのですが、どんな歴史や背景を持っているのかを楽しめるのは、様々な時代を越えてきたヴィンテージならではかなと思います。

[ Orvokkimeri / パンジーの海 ] 現在はタンペレ市役所の会議ホールに展示されています。




いかがだったでしょうか?
もちろん本来持つ機能やデザインも素敵なので、純粋に現代にはないデザインを楽しむこともヴィンテージの魅力の一つだと思います。
ぜひ自分のお気に入りポイントを見つけながら、楽しんでくださいね。