2021/07/18 12:45
このコラムでは「私の北欧での暮らし。」 をテーマに、実際に北欧での暮らしを経験した方々の気付きをお届けしていただきます。
四人目のコラムニストは世田谷区豪徳寺にあるスウェーデンのお菓子やさん「FIKAFABRIKEN」店主の関口愛さん。
私も初めて食べた時にその美味しさと不思議な味に魅了されてしまった大好きなお菓子屋さんです。
記念すべき一回目のコラムではスウェーデン留学を通して感じたfikaを通したコミュニケーションの大切さについて書いていただきました。
FIKAが教えてくれたこと
みなさんこんにちは!
私は大学生の時にスウェーデンにあるルンド大学に留学していました。教育学部でしたが、卒業後はなんとお菓子を作り始め、今では世田谷区でFIKAFABRIKENというスウェーデンのお菓子やさんを営んでおります。
スウェーデンのお菓子って何?なんでお菓子やさんに?と質問をよく受けるのですが、それはまた次回にお話ししようと思いますのでお楽しみに。
今回は留学を通して感じた日本とスウェーデンの暮らしの共通点、違いについてお話ししたいと思います。
留学していたルンド大学の建物
日本とスウェーデンの暮らしにおける共通点、違いについてお話しする上で、「FIKA」がキーワードになっていると私は思っています。今ではよく聞く言葉ですので意味をご存知の方も多いのではないでしょうか。
私なりの解釈こうです。
「FIKA(フィーカ)」は”お茶を通して、人とのコニュニケーションをとる時間”のこと。その中でも、「時間」という点が大事だと考えています。
スウェーデンでは、1日に何回もFIKAの時間があります。それはつまり、人とコミュニケーションをとる時間が多く、その時間を大切にしているということです。
留学していたルンド大学の建物 留学へ行く前、帰ってきた色んな先輩方から「スウェーデンに行ったらFIKA楽しんでね。」と言われました。その時は「FIKAって何かな?そんなにお茶する時間あるのかな?」と思っていました。 実際に留学生活が始まると、先輩方が言っていた意味がわかりました。まず、教室に入ってくる先生はコーヒーを片手に、飲みながら授業を始めたのです。(もちろん、飲まない先生もいます)科目によって授業時間が異なるため、長い授業の時は途中にFIKA休憩がありました。日本の大学に通っていた私にはそれがカルチャーショックであり、なんだか背徳感もあり、魅力的な時間でした。10〜15分程度の休憩では、一度教室を出てコーヒーを飲みながらクラスメイトと雑談をすることが多かったです。みんな留学生で最初は緊張していましたが、FIKAの気取らないちょっとした時間だからこそ話せることもありました。 グループワークをする際も、まずはFIKAの時間を持ちました。当時はお茶をしながら話すとリラックスできて、楽しい時間だな、くらいにしか思っていなかったのですが、チームワークが大切だからこそその時間は必要だったのだな、と今思い返しています。 留学時代のルームメイトたちと 日本に帰ってきてからは、あんなにゆっくりのんびり暮らしていたのに、忙しい日常へと戻ってしまいました。私の中で、帰国してからの方がスウェーデンとの暮らしの違いを実感した気がします。周りの友人は毎日何かしら予定を入れていて、ゆっくり会うためには1ヶ月先の予定を立てないといけなかったり。友人と一緒に「一息つく」時間は意識しないと持てないものでした。もっと気軽にゆっくりしてもいい気がしたんですよね。 私がお菓子やさんを始めたのは、FIKAの文化を日本にも伝えたかったから、というのが大きな理由です。忙しい日常を過ごしているからこそ、ほっと一息つく時間をもってほしい。店名のFIKAFABRIKENにはそういった想いが詰まっています。 この記事を読んだみなさんが、一度手を止めてFIKAの時間を意識してもらえたら嬉しいです。
留学していたルンド大学の建物 留学へ行く前、帰ってきた色んな先輩方から「スウェーデンに行ったらFIKA楽しんでね。」と言われました。その時は「FIKAって何かな?そんなにお茶する時間あるのかな?」と思っていました。 実際に留学生活が始まると、先輩方が言っていた意味がわかりました。まず、教室に入ってくる先生はコーヒーを片手に、飲みながら授業を始めたのです。(もちろん、飲まない先生もいます)科目によって授業時間が異なるため、長い授業の時は途中にFIKA休憩がありました。日本の大学に通っていた私にはそれがカルチャーショックであり、なんだか背徳感もあり、魅力的な時間でした。10〜15分程度の休憩では、一度教室を出てコーヒーを飲みながらクラスメイトと雑談をすることが多かったです。みんな留学生で最初は緊張していましたが、FIKAの気取らないちょっとした時間だからこそ話せることもありました。 グループワークをする際も、まずはFIKAの時間を持ちました。当時はお茶をしながら話すとリラックスできて、楽しい時間だな、くらいにしか思っていなかったのですが、チームワークが大切だからこそその時間は必要だったのだな、と今思い返しています。 留学時代のルームメイトたちと 日本に帰ってきてからは、あんなにゆっくりのんびり暮らしていたのに、忙しい日常へと戻ってしまいました。私の中で、帰国してからの方がスウェーデンとの暮らしの違いを実感した気がします。周りの友人は毎日何かしら予定を入れていて、ゆっくり会うためには1ヶ月先の予定を立てないといけなかったり。友人と一緒に「一息つく」時間は意識しないと持てないものでした。もっと気軽にゆっくりしてもいい気がしたんですよね。 私がお菓子やさんを始めたのは、FIKAの文化を日本にも伝えたかったから、というのが大きな理由です。忙しい日常を過ごしているからこそ、ほっと一息つく時間をもってほしい。店名のFIKAFABRIKENにはそういった想いが詰まっています。 この記事を読んだみなさんが、一度手を止めてFIKAの時間を意識してもらえたら嬉しいです。
このコラムを書いてくれたのは
FIKAFABRIKEN 関口 愛
学生時代にスウェーデンのルンド大学で教育学を学び、FIKAの文化に魅了され帰国後に自分でお菓子を作り始める。 2017年から世田谷区豪徳寺にてスウェーデンのお菓子やさん「FIKAFABRIKEN」を経営。
2021年10月シナモンロールやカルダモンロール、黒パンを中心としたベーカリー「torpet」がオープン。
■FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)
東京都世田谷区豪徳寺1−22−3
小田急線「豪徳寺」駅 徒歩2分
東急世田谷線「山下」駅 徒歩2分
instagram:@_fikafabriken_
instagram ( レシピ ):@everydayfika_jp
Online shop:https://fikafabriken.theshop.jp/
■torpet(トルペット)
西武国分寺線鷹の台駅 徒歩2分
instagram:@torpet_bakery