2020/12/28 21:58
このコラムでは「私の北欧での暮らし。」 をテーマに、実際に北欧での暮らしを経験した方々の気付きをお届けしていただきます。
二人目はスウェーデンに在住の音楽家、林イグネル小百合さん。
音楽や動画など様々な創作活動をされていて、Youtubeにアップされている北欧での暮らしのVlogは私たちも大ファンです。
今回は私たちからの素朴な疑問をQ&Aとして交えながらスウェーデンについてお話しいただきました。
スウェーデンに⽋かせない⽂化・Fika(フィーカ)
スウェーデンといえば何を思い浮かべるでしょうか?
北欧デザイン、北欧インテリア、福祉や政治など、”北欧”全体のイメージはなんとなく持っている⽅が多いかもしれませんね。
⽇本と中国がそれぞれユニークであるように、実は国同士は近くても、⽂化や国⺠民性、最近でいえば感染対策などもですが、他⽅面でスウェーデン独自の⽂化があったりします。
このコラム連載では、北欧の国・スウェーデンについて少しお話します。
第一回⽬はスウェーデンに欠かせない⽂化、Fika (フィーカ)について。
誰かとコーヒーを飲みながら、パン菓⼦を食べながら、フラットに他愛もない話をするひととき。 ⼤学ではクラスメイトや先生と。職場では同僚や上司と。 私は⾳楽の仕事をしているのですが、レコーディング中やリハーサル中にもフィーカ休憩をしたり。
パン菓子の定番はシナモンロール。 ケーキ、チョコレートなど、おやつをつまみながらコーヒー を飲み終えるまでの時間、リラックスしながら色々な話をします。 スウェーデンでは、商談やミーティング等のビジネスシーンにおいても、お酒の代わりにフィーカしながらという場合が多いようです。 徹底して就業時間外は働かないのも、スウェーデンらしさかもしれません。
日本語でも”無用の用”という言葉がありますが、忙しい時こそフィーカのようなリラックスタイムをあえて作ることで、気持ちをリフレッシュして効率良く動けたり、モチベーションが保てたり、新しいアイディアが生まれたりと、、良い循環で暮らすことができるようになったような気がします。
Q & A t i m e
ismiraiの2人がFikaについて思った 素朴な疑問を聞いてみました!
Q.Fikaのお菓子は誰が用意するんですか?
お友達や家族とフィーカの場合は、遊びに行ったお家で⽤意してくれていたり、持ち寄りだったり様々。 職場の場合は、職場が⽤意してくれていることもあれば、週交代などで順番に好きなお 菓子を買ってFikaコーナーに置いていたりします。 誰かの誕⽣日の日は、誕⽣日の本⼈がケーキを自分で焼いたり、買ったりして持ってくるのも定番です。
Q.Fikaはどうやって始まって いつ終わるんですか?
職場にもよると思いますが、誰かが、”Ska vi Fika?”(スカヴィーフィーカ?)=そろそろFikaする?と聞いて始まることが多いと思います。 きっちり時間を決めて開始することはあまりなく、終わりもなんとなく、コーヒーを飲み終えたら。 途中で仕事に戻る⼈とか、練習に戻る⼈とか、そもそもそフィーカに参加しない⼈とか、⾃分次第なので、しっかりと決まっていません。 ismirai:“Fikaばかりしてる人”と思われたり(笑)、その分仕事が長引いて残業にはならないんでしょうか?
就業時間外は10分でもオーバーした場合ちゃんと請求するので、残業するという⽂化はないです。 残業する⼈=仕事ができない⼈という印象があり、フィーカも含めどれくらい休むか、就業時間内にどれだけの量をこなせるのか等、⾃分で自分を知っていることも、大切ですね。
Q.Fikaの間は何を話してるんですか?
ismirai:ついつい仕事の延長線にならずに、「なんでもない時間」を楽しむ時は何を話してるんでしょうか?
前の職場(教育現場)では、次のバカンスにどこに旅⾏に⾏くか(スウェーデンの⼈たちは旅⾏が⼤好き!旅行のために仕事をしているといっても過言ではありません笑) 引っ越しする⼈も多いので 新しい家の話、恋愛トーク、ドラマや映画の話など。まさに雑談って感じです。 政治や、ビジネスに繋がる深い話になる時もあります。初めて一緒にプロジェクトをする⼈と会う時のフィーカは、仕事の話を交えつつ、⾃分が何をしているかを話したり、レコーディングの時は、リハで演奏しつつ、フィーカしつつ、とかもあります。 仕事の⾯接、カウンセリングなどでも、フィーカをしながら。 何を話すか、時間、何を食べるか、決まっているわけでなく、そこにお菓子と飲み物があって、気を使わない、リラックスしている、オープンな時間、という感じです。 言葉で説明するのは難しい空間なので、ぜひ一度フィーカを経験していただきたいですね。 いつかYoutubeライブでも、フィーカライブ、を開催してみようかな?
このコラムを書いてくれたのは
Sayuri Hayashi Egnell
スウェーデン/ストックホルム在住の⾳楽家。CM,映画⾳楽やサウンドアート、映像、空間、 Youtubeの運営など様々な創作活動を⾏う。2014年都市空間のサウンドコンペティションにて坂本⿓⼀⽒に選出され⾦賞受賞、2014年〜16年ストックホルムノーベル博物館が主催する特別展にノーベル平和賞等の⾳楽を出品。2013年年より4年年間ストックホルムの小中学校で⾳楽教師として働く。2020年より3歳の娘とスウェーデン人の夫との北欧暮らしを、オリジナルの⾳楽と映像で綴るYoutubeチャンネル ”Lilladag”を運営。週1回以上、Vlogを中⼼とした動画を投稿している。
instagram:@lilladag youtubeチャンネル「Lilladag」はこちら