デンマークの幼稚園 | 私の北欧での暮らし。vol.2 | ポスター屋さんismirai home | 北欧ポスターとインテリア雑貨のお店

2020/10/04 21:33


このコラムでは「私の北欧での暮らし。」 をテーマに、実際に北欧での暮らしを経験した方々の気付きをお届けしていただきます。


一人目はデンマークに留学経験をお持ちのRionaさんにお願いしました。

2つ目のコラムはデンマークの幼稚園でのインターンシップを通して感じたことについて。

子供心を思い出してワクワクしたり、親目線でも興味深い発見ばかりの内容です。




デンマークの幼稚園


コペンハーゲンから電車で1時間。

フュン島にある自然溢れる小さな街の幼稚園が、私のインターン先でした。

 

一日中子どもたちと遊んで、ご飯を食べて、一緒に過ごすのが私のお仕事。

かなり流動的ではありましたが、私のとある1日の過ごし方をまとめてみました。



幼稚園インターンをしていた頃の1日の過ごし方

雨が降っても、ヒョウが降っても、構わず遊び続ける子どもたちの目はとってもキラキラ。

また、ふとした瞬間に感じる想像力がとても魅力的で、園庭に落ちている小枝は魔法の杖や刀に、焚き火で残った炭はペンやメイク道具に大変身します。

火起こし場に落ちている炭でお絵かきをする子。このあと、顔中真っ黒になるまで遊びました。



デンマークの幼稚園で過ごしていると「子どもたちが主体的に、自由に遊ぶ時間」がかなり多いことに驚きました。

全員で市内の施設までお散歩に行ったり、みんなで1つのアート作品をつくる時間もありましたが、基本的には一人ひとりが外で自由に好きなことをして遊んでいた印象が強いです。


先生たちはコーヒー片手にそれを眺めている時もあれば、おもむろに食材を持ってきて今日のお昼を作りはじめたり、つみきを高く積み上げる競争に先生同士が夢中になっていた時もありました。

子どもたちは「なんか先生たち、面白そうな事してるぞ」と、楽しげなムードに引き寄せられ、その輪が広がっていくような場面をよく目にしました。



先生たちのお手伝いをしたくて集まった子たち。外で火を起こして料理する日も。



ある時、先生たちがジャンベ(打楽器)を持って外の広場に集まってきたことがありました。

子どもたちは先生の音楽に引き寄せられ、少しずつ輪ができ「サーカス」と呼ばれるイベントが始まります。

「サーカス」は、打楽器のリズムに合わせて子どもたちが好きに踊ったり、特技を披露する時間。

逆立ちをしようと挑戦する子、ひたすらジャンプする子、走り回る子もいれば、芝生に寝っ転がってみる子もいました。

開放的な空間で音楽を楽しみながら、自由に自分を表現しようとする姿にとても感動したのを覚えています。


この幼稚園では、ほぼ一日中外で過ごしました。



手遊び歌で体を動かしたり、絵本の読み聞かせにじっくり聴き入る時間もありました。

また、日によって近所にあるフォルケホイスコーレ(北欧発祥の全寮制の学校)のジムでトランポリンやロープ遊びをしに行く日もあれば、4〜5人だけを連れて別の公園に遊びにいくこともありました。

ランダムに数人を公園へ連れて行く取り組みには、普段は一緒に遊ばない子同士も、環境を変えて交流して欲しいという思いがあるそうです。

子どもたちに大人気のキックバイク。自転車大国デンマークは、幼稚園から始まってるのかも・・



私は全部で3箇所の幼稚園でインターンをさせていただいたので、幼稚園によってお昼の時間の過ごし方や子どもたちが夢中になる遊びが違ったことも印象的でした。

とある幼稚園では、近所のフォルケホイスコーレの食堂で学生と一緒にご飯を食べる日がありました。多様な大人と交流することや、ナイフとフォークを使って料理を食べる練習をすることが目的だったそうです。


一方で、どの幼稚園でもペダルなしの自転車(キックバイク)をみんなで乗り回していることと、生のニンジンをぼりぼり食べていたことは共通していたかもしれません。


私がお花をみて「キレイ~!」と言っていたら、お花を摘んできてくれた女の子たち。お礼に花冠をつくりました。



インターンをする中で一番大変だったのがコミュニケーションでした。

言語の壁で自分の気持ちを伝えきれない悔しさと、子どもたちの思いを汲み取れないもどかしさは常にありました。


それでも、「一緒におにごっこしよう」「ブランコおしてほしい」「絵本読んで」と一生懸命伝えてきてくれる子どもたちの姿が眩しくて、私も全力で思いを表現しました。

おにごっこをしながら叫んだり笑ったり、おいしいもの食べて嬉しくなったり、上手にできなくて泣いたり。

言葉にしなくても、伝わる気持ちがあることを学びました。


最終日には、園庭から摘んできた花や自分で描いた絵をプレゼントしてくれる子や、「帰らないで」と言いながらハグしてきてくれる子もいました。

ようやく心が通じ合えたのだと実感し、感動で涙が止まりませんでした。


言葉が通じなくたって、育った国が遠く離れていたって、

遊びが“違い”を乗り越えさせてくれる。


体力が尽きるまで走り回って、一緒におもしろいことを共有した時間が、今でも私に「遊び」の可能性を教えてくれます。





このコラムを書いてくれたのは



Riona

 

1997年生まれ。東京外国語大学国際社会学部在学中。可能性を広げる遊びの探究と、遊びでデザインする学びの場づくりを手がける団体「P L A Y B L E」代表。昨年は大学を休学し、デンマークへ留学。3つの幼稚園でのインターンや、2つの家庭で住み込みのベビーシッター、デンマークのフォルケホイスコーレに滞在しながら、「遊び」や「余白」の価値観に触れる。

 

instagram:@rionaloha

P L A Y B L E:https://play-ble.studio.design/