2020/08/22 13:00
このコラムでは「私の北欧での暮らし。」 をテーマに、実際に北欧での暮らしを経験した方々の気付きをお届けしていただきます。
暮らしを大切にする国ならではの文化や日本と共通する魅力、訪れてみたくなる特別な体験など、北欧の暮らしを覗いてみることで、生活のヒントを見つけてみませんか? 記念すべき一人目はデンマークに留学経験をお持ちのRionaさん。 なんと、学業と両立をしてご自身で教育やワークショップの団体を運営されています! インスタグラムでの素敵で面白い留学体験の投稿が気になり、こちらからお声をかけさせていただいたのがご縁のきっかけでした。 日常に「余白」をもつということ 夕食を終えるとお気に入りのマグにコーヒーを淹れ、ケーキやキャンディを片手にみんなでゆったり映画観賞。ぱちぱち燃える焚き火を囲んで、どこからともなく聞こえてくる歌を口ずさんでみたり。夜が更けるまで夢中になっちゃうボードゲームと、他愛もない会話に自然と心がほぐされる。 特別なことはないけれど、シンプルであたたかい。 そこにあるのは、日常に溶け込んだ「余白」の時間でした。 HYGGE(ヒュッゲ:人とふれあう居心地のいい空間) デンマークのインターン先の幼稚園では、金曜日になると先生たちが週末を待ちきれずに踊っている。平日の夕方4時を過ぎると、お父さんたちが子どもをつれて公園に遊びにくる。(自分たちはビールを片手におしゃべり!) そんな光景を目にするたびに、日本ではなかなか見られない文化だなあと驚きます。 疲れたらきちんと休む。 日常の中で、自分らしくいられる”まっさらな時間”を大切にする。 そんなデンマークの『余白』の価値観に心地よさを覚えたのは、日本の文化にも通ずる部分があるからだと思います。 例えば、日本の文化を語る上では欠かせない「間」の概念。 ”間を取る” ”行間を読む” 水墨画や日本庭園に残された空白も、「間」の1つの現れかもしれません。 私たちは昔から、空間的・時間的な「間」としての余白に想像力を働かせ、美しさを感じる文化をもっています。 しかし、慌ただしく去っていく日々の中で、そんな「余白」に思いを馳せるゆとりがないまま過ごしていると、自分自身の心の声に鈍感になってしまいます。 さらに、立ち止まること・休むこと・遊ぶことに対して、どうしても焦りを感じるようになってしまうと思います。 「気持ちが落ちているときは、湖のほとりでお茶でもしながらボーッとしよう」 「くだらないことを、全力でやってみたら案外おもしろいかも」 デンマークの友人と暮らしを共にしていたら、そんな意味のない時間こそ愛おしいと思えるようになりました。 カラフルな服を着て、街でフラッシュモブをやってみたことも。 ゆったりとした心地いい空間を愛し、よく遊び、よく語り合うデンマーク。 忙しい日々の中でも すこしの「余白」を大切にしてみれば、 もっと自分自身と丁寧に向き合っていけるような気がします。 このコラムを書いてくれたのは
Riona
1997年生まれ。東京外国語大学国際社会学部在学中。可能性を広げる遊びの探究と、遊びでデザインする学びの場づくりを手がける団体「P L A Y B L E」代表。昨年は大学を休学し、デンマークへ留学。3つの幼稚園でのインターンや、2つの家庭で住み込みのベビーシッター、デンマークのフォルケホイスコーレに滞在しながら、「遊び」や「余白」の価値観に触れる。
instagram:@rionaloha
P L A Y B L E:https://play-ble.studio.design/